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アトピー性皮膚炎の漢方治療では、他の疾患とは比べ物にならなほど、時宜にかなった配合変化が必須となる。
季節に応じた配合変化では、湿気の多い梅雨時前後には湿邪を除去する配合比率が高まり、地黄や麦門冬のような滋潤薬を控えめにするなど。
空気の乾燥する秋冬では梅雨時とは逆の配慮が必要となる。
女性では生理中の配合と生理が終わった後の排卵日までで微妙に配合が異なり、排卵日以降の高温期には清熱剤の増強が必要となるケースが多く、生理がはじまると総じて清熱剤の重点は軽減され、極端な例では生理中は温補剤主体の配合が必須となったケースもある。
また、一日のうちでも昨今のような猛暑がはじまる季節では、職場環境で冷房が強いなどの環境下では、朝と昼と夜の漢方薬の服用内容を変化させる必要があることも珍しくない。
すなわち身体を冷やし過ぎる職場では、清熱剤を控えめにするか、あるいは昼間だけはクーラー病にしばしば使用される葛根湯や藿香正気散(かっこうしょうきさん)を一時的に併用するなど。
実際にはもっともっと臨機応変に配合変化の必要が生じる場合が折々にあるのだが、人によっては運よくそれほどの配合変化をあまり必要としないこともあるが、そのような例は少数である。
このような面倒な配合の微調整の繰り返しを時間をかけた繰り返しのアドバイスによって、ご本人みずから臨機応変の配合変化の法則をマスターせざるを得ないので、結局は9割以上の寛解が得られるのである。

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