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アトピー性皮膚炎に桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)がマイブーム

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ZZZ_7956 posted by (C)ヒゲジジイ

 昨今、女性たちのアトピー性皮膚炎に桂枝茯苓丸も加えると成績がよい人が増えつつあるので、男性にも実験的に二人使っている。
 
 昨日来られた関東の男性と、しばらく前に来られた近畿地方の男性の二人である。

 いずれも、上熱下寒の傾向があり、舌の紫紅色が取れ切れてないから。

 これまでアトピーの男性にはシナモン(桂皮)の配合されない大黄牡丹皮湯や腸癰湯を利用することが多かったのだが・・・但し、アトピーの複雑性にもとづいて、主軸の他方剤との併用である

 ところで、男性でも屋根から転落して以来二十五年、腰痛とともに腰が曲がってあらゆる治療で治らなかったのが、桂枝茯苓丸合芍薬甘草湯で一年もしないうちに治った例や、足に電気が走って運転不能になった男性に桂枝茯苓丸+田七人参で短期間に回復した例など・・・

 もともと男性にも使用する機会の多い方剤である。

 ともあれ、アトピー性皮膚炎は個人差がとても大きいし、四季折々に変化を生じやすい皮膚病であるから、みずからが主治医になるつもりで頑張る人達は、新たな実験を喜んで引き受け、完全寛解を目指して努力される。

 結果報告が待ち遠しいが、当然、絶対に効くとは限らない。体質によっては桂皮は鬼門となる人も多いからである。

 桂皮ばかりでなく川芎(センキュウ)も要注意の生薬ではあるが・・・

 先日、アトピーがかなり緩解している男性が、裏日本の寒さがこたえたのか肩凝りがひどく、いつもなら葛根湯製剤で直ぐに治っていたのが今度ばかりは効かなくなったという。

 そこで生薬製剤二号方(川芎含有製剤)を試してもらったところ、肩凝りのみならず同時にアトピーにもとても効果的で調子がよいとの報告があった。

 調子に乗って温め過ぎてアトピーに逆効果とならないようにっ!と注意を与えると、「大丈夫、その時は適当な清熱剤を併用してバランスを取るから」と、ヒゲジジイの長期間の指導の成果が稔って、優等生の返事が返って来た(笑。

ZZZ_7842
ZZZ_7842 posted by (C)ヒゲジジイ


最低でも一年以上通うつもりがおありでしょうか?

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シロハラ
シロハラ posted by (C)ヒゲジジイ

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 40歳〜49歳の女性
簡単なご住所 : 東海地方
お問い合わせ内容 : ●●県◎◎市の△△と申します。ホームページを拝見させていただきました。

 20年間アトピー性皮膚炎で悩んでおり、子どものためにも、心配をかけている両親のためにも何とかして治したいと思っています。

 ●月●日(?)にうかがいます。予約制ではないことは承知しています。

 何日でも滞在して順番を待ちたいと思います。どうかよろしくお願いします。

IMGP4356
IMGP4356 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:本気でアトピーを治されたい場合は定期的に、あるいは非定期的にでもコツコツと一定期間通って頂く必要があります。

 また、当方では重症アトピーのみならず、その他の難治性疾患や進行癌や転移癌など、一定レベル以上の疾患のご相談が主体となっていますので、一人ひとりにじっくりと時間をかけて相談させて頂いていますが、最初は2泊3日もあれば十分です。(その間、3日連続漢方相談を行い、じっくり弁証論治することになります。)

 以前、関東から10泊11日で来られた人がありましたが、男性であるだけに後半は飽きあきしてしまいました(笑。
 もちろんその男性は現在しっかり寛解しています。

 重要なことは「重症」のアトピーであれば最低でも1年以上は通うつもりがおありかどうかが問題です。できれば10日毎に、遠方でそれが無理なら2~3週間毎でも構いません。(現実的には遠方の人たちは2~3週間毎のケースが多いようです。)
 ある程度改善して安定期に入れば、1~2ヶ月に一度で済むようになりますが、そのようになるまでの期間は個人差があります。

 当方では本気で真面目な人だけを受け入れていますので、それほど混雑することはありません。
 (予約制をしない理由は古くからの常連さん達が、気楽に来れなくなると気の毒だからです。)

 ともあれ、一定期間、通って来られる決心がおありでしたら、2回目からは1泊2日や、体力のある人達は1日で往復する人も多く、そのいずれでも十分です。
 毎回、相談時間はなるべくたっぷり(最低でも1時間)時間をかけて微調整の検討を行います。

 一度来られるだけで済まそうとされる人達からの問い合わせが多いため、敢えて書かせて頂きました。

 それゆえ、もしも一度だけのおつもりであれば、残念ながらお断り、ということになります。

 以上、取り急ぎ、お返事まで。

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ASC_0442 posted by (C)ボクチンの母

アトピーが病院の漢方で治らなかった人達で最も目立つ処方は越婢加朮湯

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IMGP7564 posted by (C)ボクチンの母

 昨今は1年中で最もアトピーが悪化しやすい時期なので、恒例の行事の如く、アトピーの新人さんが急に増えている。
 今回も病院の保険漢方で治らずに来られた人達がこれまで飲んでいた漢方薬には一定の傾向があることを発見した。

 不思議といずれの人達も越婢加朮湯が投与されており、その併用薬は消風散だったり、荊芥連翹湯であたり、治頭瘡一方であったりサマザマ。

 なかには効果が出ないのに越婢加朮湯と荊芥連翹湯の併用を頑固に固定したまま一年間も服用し続け、ますます悪化して堪らずやって来られた人もいた。
 
 これらが保険漢方の限界かもしれないけど・・・

 そもそも日本の越婢加朮湯製剤の問題点は、清熱瀉火の石膏の配合量が極端に少なく、麻黄の配合量にほとんど等しいくらいだから、麻黄の発表作用が勝ち過ぎて、越婢加朮湯としての用を十分に果たせないで、却って逆効果になっているのかもしれない。

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IMGP7565 posted by (C)ボクチンの母


アトピー性皮膚炎で全身から汁(滲出液)が流れ出る誘引はステロイドの乱用ばかりとは限らない

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ZZZZ6140 posted by (C)ヒゲジジイ

 アトピー性皮膚炎ではしばしば滲出液が流れ出る現象がみられるが、その多くはステロイドの乱用が原因となることは常識である。

 皮膚科医師の指示通りに塗布しているのに、突然滲出液が全身から流れ出るようになって、止めはがつかなくなって漢方相談に来られるケースが多いのは、皮膚科医師の指導間違い、いわゆる誤治であることに違いはない。

 医師の誤治や患者自身のステロイド乱用が原因で、滲出液が漏出するケースは日常茶飯事なので、いまさら驚くこともないが、最近遭遇した例では、ここ15年間はまったくステロイドを離脱し、使用していなかったにも関わらず、滲出液が大量に漏出して相談に来られたケースがあった。

 ステロイドとは無関係に全身から滲出液の激しい漏出が続く例は珍しい。

 振り返ると、その誘引は偏食を続けていたことにあるらしく、アトピーの一般的な症状とともに、次第に滲出液が伴うようになり、医師による保険漢方の投薬を受け、ツムラの越婢加朮湯を主軸とした様々な配合を続けながらも次第に増悪する一方。

 ステロイドとは無関係な状況下で、全身から激しく滲出液が漏出して不眠と体力喪失で疲労困憊の状態で来られたが、幸いにして三種類の漢方処方併用により、15日前後でほぼ完璧に滲出液が出なくなった。

 滲出液が完全に止まってこそ、これからがアトピーの完全寛解に向かって互いの根気勝負が始まるはずであるが、完全に安定するまで継続できるかどうかは本人次第。

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ZZZZ6159 posted by (C)ヒゲジジイ

油断ができないアトピーの速効例━ステロイドを寸前まで使っていた人達

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ZZZZ6270 posted by (C)ボクチンの母

 先月から来られている人で、全身から滲出液が流れ出て体力を喪失し、激しい痒みと寒さで疲労困憊の状態でやって来られた人の場合、幸いにステロイドを離脱して15年経っていたので、驚異的な効果を発揮した。

 衛益顆粒(玉屏風散製剤)と六味丸に猪苓湯という僅か三種類の配合で、15日目には完全に滲出液が止まり、30日も経たない間に痒みもほとんどなくなり、この短期間で社会復帰を果たすことが出来た。

 このような速効例では既にステロイドを離脱しており、ここまで悪化した原因が明らかに食生活の不摂生であったことから、正しい食事内容⇒成人型の重症アトピー性皮膚炎は飽食病であるのページをしっかり学習して実行すれば、再度アトピーをぶり返す可能性は少ないだろう。

 ところが問題は、当方の漢方薬をはじめる寸前までステロイド外用薬を使っていた人達である。そのような人達に限って、往々にして1日目から超即効が出る場合がある。
 速効が出たからといって、ステロイドを急に中止すると、たとえ漢方薬を飲んでいても、遅かれ早かれリバウンドがやって来るので必要最小限のステロイド塗布は止めてはいけないこと、1週間に1~2回は続けておくべきことの注意をしているつもりだが、これを守れない人があまりに多過ぎる。

 アトピーが悪化しやすい春になり、ステロイドの効き目が悪くなって、どうしようもなくなってやって来た人達が多いだけに、漢方で速効が得られると、ステロイドの塗布を完全に忘れてしまう人こそ危険である。

 漢方で速効が出るくらいの人は、寸前まで塗っていて効果が激減していたステロイドの効果が再度回復しているはずだから、同じ場所に1週間に1~2回塗る程度で、リバウンドの危険性を防止し、スムーズにアトピーをコントロールしやすくなるのだと、この同じ説明を何度繰り返せばよいのだろうっ!?⇒漢方薬服用時のステロイド外用薬について

 この説明を1人にするのでも繰り返し説得しないと納得しない人が多い中、これが何人ともなるとスタッフの少ない村田漢方堂薬局では、アトピーよりももっと重大な疾患のご相談者が多い中、その人達に向けるべきエネルギーが削られる事態に気が付いて、アトピーのブログ記事は控えめにすべきだと受付嬢に窘められる始末。
 
 ところが既にステロイドを完全離脱して来られる人達の場合、各地で漢方服用しながらも今年の春になって悪化の一途を辿り重症化して当方にはじめてやって来られても、上述のようなステロイドを急に中止して来られる人よりも効果はのろくとも、上下動の少ない着実な効果を発揮させやすい。

最近の関連ブログ:漢方薬をはじめるからといってステロイドを急に中止してはならない

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ZZZZ6295 posted by (C)ボクチンの母

成人型の重症アトピーが僅か1ヶ月で9割以上の寛解を得た稀有な例

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IMG_3990a posted by (C)ヒゲジジイ

 過去には女性の顔面を中心に悪化したアトピーが、僅か1週間でほぼ根治してそのまま追跡調査(現在に至るまで確認済み)でもほぼ完全寛解した女性のことを、何年も前にこのブログでも紹介したことがあるが、アトピーの重症度では遥かに今回の男性の方が桁外れ。

 既に前回「2012年05月16日 アトピー性皮膚炎で全身から汁(滲出液)が流れ出る誘引はステロイドの乱用ばかりとは限らない」で紹介した全身から滲出液が漏出して寝汗とともに重度の不眠も続いていた悲惨な状態の男性のことである。
 強烈な寒気も伴っていたので衛益顆粒に六味丸と猪苓湯の三種類を併用してもらった。

 服用10日足らずで滲出液が8割激減したものの、寒気もなくなったが強烈な痒みと寝汗と不眠が凄まじいというので、舌の黄膩苔をたよりに茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)を追加してもらったところ、僅か1~2回の服用で、強烈な悪寒が再発したので、直ぐに茵蔯蒿湯を中止してもらった。

 その後、全身から流れ出ていた滲出液はヒゲジジイの漢方薬をはじめて15日後には完全に止まってしまった。
 しかも28日目の来訪時には、痒みは既に9割5分は消失して昨日は風呂で久しぶりにおもわず鼻歌を歌ったことが我ながら青天の霹靂であるとのたまうのであった。
 しかしながら、強烈な寝汗と不眠が何としても取れないとの嘆きが残った。

 ところが、そのような苦情を申し立てた晩から、配合は3種類のままで押し通しているにも関わらず、手の平を返したように、寝汗も不眠も雲散霧消してしまった。

 寒気もしっかり取れているので、舌証に忠実にフィットさせて治療を徹底すべく再度、茵蔯蒿湯を追加して4種類の配合で続行中。

 このまま9割以上の寛解が持続できれば、重症度からいって村田漢方堂薬局40年のアトピー漢方相談の歴史上、最速寛解記録を樹立することになるので、是非ともこのまま記録を打ち立てて欲しいとプレッシャーを与えているのだった。

 このような重症例が僅か1ヶ月で9割以上の寛解が得られて、そのまま持続できれば、本当に最速記録樹立は間違いないのだった。

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IMG_4032 posted by (C)ヒゲジジイ

アトピーの漢方ブログを新たに設けた目的

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IMG_7546 posted by (C)ヒゲジジイ

 もともとは二つのブログのそれぞれのカテゴリで、以下のように続けていた「アトピー性皮膚炎の漢方薬」がある。
  1. アトピーの漢方:村田漢方堂薬局の近況報告

  2. アトピーの漢方:漢方薬局経営薬剤師の一喜一憂

 ところが、次第にアトピーの記事が多くなるにつれ、筆者自身でも閲覧に不便を感じるようになったため、新たにアトピー専門のブログを開設することになった。

 したがって、上記2種類のブログのカテゴリそれぞれの「アトピー性皮膚炎の漢方薬」を継承しているのは当然のことですので、これらもさかのぼって参照されれば、得るところなしとしないのではないかと思います。

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IMG_7551 posted by (C)ヒゲジジイ

成人型重症アトピー治療の漢方薬は微調整の繰り返しに納得する人達

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_IGP0679 posted by (C)ヒゲジジイ

 漢方メーカーのベテラン社員さんに最近言われたことには、アトピーの漢方薬に先生ほど配合の微調整を繰り返す話を他所では聞いたことがありませんよっ、といささか怪訝そうであった。

 しかしながら、一定レベル以上に悪化したアトピー性皮膚炎の人達に、最初から漢方薬の配合を固定できることは、たとえどんなにスムーズに推移する場合でもほとんどあり得ないことである。

 ところが実際に遠路はるばるやって来られている重症のアトピー性皮膚炎の男女は、数ヶ月も通わない内に、ほとんどの人が村田漢方堂薬局の繰り返しの微調整や臨機応変の配合テストに、しっかりと納得される。

 その多くの人達が各地の病院の漢方薬(その多くはツムラ漢方)や、あるいは漢方薬局で続けていた漢方薬で一時効果が出ると、そのまま配合を固定され、ぶり返すことがあっても「アトピーはそんなもんですよっ」の一言で、何の微調整をもしてもらえないままずっと同じ配合の漢方薬を続けざるを得なかったという。

 あるいは配合を変えてくれても、アトピーは冷えが原因だからと断言され、熱感に伴う掻痒をどんなに訴えても、温熱薬の投与を中止してくれないので、とうとう愛想をつかして遠路はるばる下関まで通う決心がついたという人もいる。
 
 逆に一時はアトピーに効果があった配合でも続けていると、次第に腹部が冷え込むようになったので、繰り返し主治医に訴えても配合を微調整してもらえない。

 アトピーの改善も途中から足踏み状態で、寒気と腹部の冷感が続いて不快で、とうとう転医しても同様な現象が続く。
 新しく通い始めたそのアトピーの漢方専門医師に訴えても、配合を一切変えてもらえず、とうとう愛想を突かして下関まで通うことになったという人もいる。

 こられらの人達が実際に当方に通い始められれば、これまでのところとは打って変わって微調整のコツや配合テストの繰り返しに痛く感動されるばかりでなく、速効はないまでも着実な効果を上げ始めるのは当然で、効果が停滞したり、季節的な変化にも対応できる配合の微調整を繰り返しアドバイスする意義を十分に納得されるのであった。
 
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_IGP0680 posted by (C)ヒゲジジイ
 

アトピー性皮膚炎にステロイド外用剤が合う人と合わない人

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IMGP2837 posted by (C)ボクチンの母

 アトピー性皮膚炎でいつも問題になるのがステロイドである。昨今NHKテレビでさえ、アトピーをコントロールするにはステロイドやプロトピックなどの外用薬と保湿が最適であるとする放送により、アトピーに苦しむ人達から相当な物議を醸している。

 たしかに漢方専門薬局を経営していて、いつも目にするのはステロイド外用剤による明らかな被害を受けた人達ばかりが相談に来られている。
 だから当然、当方の立場から見ても、ステロイドは悪魔の医薬品のように一時は思った時期もあったが、ちょっと冷静に考えてみると、そうとも言えないのではないだろうか?

 つまり、アトピーの皮膚科学会の標準治療でも奨励され、昨今NHKテレビでも自信満々でステロイド外用剤の徹底した使用を奨励するというのは、一部の人は間違いなくその方法で安定した寛解状態に導くことに成功しているケースが存在するからに違いないのである。

 ところが、同じ方法をとっても、ステロイド被害を受けて、西洋医学の皮膚科治療に辟易する状況に追いやられる人達も多いのは周知の通り。

 要するにステロイド中心の治療で合う人、合わないひとがいて、合わない人の中にも、一時は劇的な効果を発揮しながら、後々地獄の苦しみに会わざるを得ない人達と、最初からステロイドはまったく、あるいはほとんど効果を示さず、激しいリバウンドなど副作用ばかりが顕著に発生して、生命の危やぶまれるほどの悲惨な状況に追いやられる人など、大きく分けて3通りのタイプがあるように思われる。

 そのうち、漢方相談を受けるのはステロイドが合わない人達の2通りのケースに限られるわけだが、次回は最初からまったくステロイドが合わずに悲惨な状態に陥った実際例を報告したいと考えている。

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IMGP5895 posted by (C)ボクチンの母

 

ステロイドが合わず全身から汁(滲出液)が流れ出て悲惨な目にあったケース

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IMGP5987 posted by (C)ボクチンの母

アトピー性皮膚炎にステロイド外用剤が合う人と合わない人(2)

 こういう例は珍しいかもしれないが、あらゆるステロイド外用剤が一時的にもまったく合わなかった人に一例だけ遭遇している。
 学生時代に飲酒と暴飲暴食に明け暮れた付けが回ってアトピーが重症化し、皮膚科に治療を請うたところがお決まりのステロイド外用剤。ところが効果がまったく出ず、医師の指示通りに三ヶ月間塗り続けるうち、全身から激しく滲出液が流れ出るようになり、ステロイドを中止しても止まらず、ますます悲惨な状態が続き、疲労困憊の状態が続く。

 仕事を辞めて家に篭ったままの日々が数ヶ月続いたが、そのうち自然に滲出液がかなり止まって来たが体力が回復せず、アトピー自体はやや熱感が伴う激しい痒みと一部の滲出液の漏出が見られた。
 その段階で当方に相談に来られ、初回に茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)と猪苓湯の2方剤で様子を見てもらったところ、一定の効果がみられ、この配合で一ヶ月間様子をみてこのまま治ればとお互いに期待していたが、案に相異して一ヶ月が過ぎる頃には、突然、皮膚科に通院中に生じたときとまったく同様に全身から滲出液が流れ出て止まらなくなり、寒がって再び激しく体力を消耗し、呼吸も苦しいくらいの最悪の状態に陥る。

 命も危ぶまれるくらいの激しい体液の漏出と体力の消耗に、病院に入院して治療してもらうべきだが、本人は病院の治療でこのように悪化したのだから、絶対に病院治療を拒否する風であったが強引に皮膚科に行ってもらったところ、やはりステロイド塗布を奨められるばかりなので直ぐに通院を中断してしまった。(体力の消耗が激しいのであらゆる行動は両親の付き添いが必須の状況が長く続いた。)

 配合は茵蔯蒿湯を中止し、衛益顆粒と猪苓湯を主体に様々に工夫するのだが、なかなかフィットする配合が見つからず、結局は何のことはない、主水の蔵である腎に対する配慮が不足していたことが画竜点睛を欠く配合であることに気づくのに2ヶ月もかかってしまったが、結局は衛益顆粒と猪苓湯に六味丸という僅か三種類の配合で、さしもの激しい滲出液の漏出と体力の消耗やひどく寒がる症状も僅か1ヶ月で治った。

 ところがまた、それからが大変で、滲出液が止まり、体力も一定レベル回復しても肝腎の様々なアトピー症状を治すにはひと工夫もふた工夫も要し、1ヶ月の間に3回も配合を変化させる必要があった。
 すなわち、排卵日以降の高温期には加味逍遙散製剤や清熱薬類を主体に運用し、生理が始まると急転直下寒証に陥るので、配合の主体は補中益気丸や大建中湯去膠飴など。生理が終わると云々と配合を規則的に変化ささる工夫が必須な体質で、そのために常備薬として15種類の漢方製剤を手元に用意しておく必要があった。

 そして現在の状態は、やってはいけなというこちらの強い禁止令を無視して、社会復帰して以後は顔のお化粧を楽しみ、過去のアトピーの痕跡もほとんど皆無の安定した寛解を得ている。
 但し、アトピーの地獄を見た人だから、あれから何年にもなるというのに、予防的にその日の状況に適した漢方薬の組み合わせを1日最低1回は継続服用しているのだった。

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IMGP5993 posted by (C)ボクチンの母

 

ステロイド外用剤を10~20年以上続けても中途半端ながらも効果が持続しているタイプ

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IMGP6083 posted by (C)ボクチンの母

アトピー性皮膚炎にステロイド外用剤が合う人と合わない人(3)

 ステロイド外用剤を皮膚科の医師の指導のもと、長期間使用して確実に一定の効果を発揮しながらも、その一定以上は効果が上がらず、いつまでもだらだらと長期間使用することになり、アトピーが完全寛解するわけでくもなく、かといって目立った副作用や途中で効果が途絶えることもない人達も意外に多い。

 毎日のように塗布しながら、いつのまにか10~20年が経過している。
 かといっていつまでもアトピーが中途半端なままで、塗らなければ痒いし、塗っても痒みが完全に治まるわけでもない。
 外見上は、決して重症のアトピーには見えないが、明らかなアトピー特有の皮膚は同病の人なら直ぐに分かるレベルに持続している。

 たまに調子がよいときにステロイドの塗布を忘れていると、遅かれ早かれ痒みがやって来るので塗らざるを得ない。
 こんなことが10年20年続いていると、これではいけないと有名な漢方専門の医師のところで2年くらい頑張ってもあまり変化がなく、今度は漢方薬局で2年頑張っても埒が明かない。

 そこで一大決心して遠路はるばる下関まで泊りがけでやって来た人はとても多い。

 このようなタイプはステロイドに嵌っているとはいえ、ステロイドが効かなくなって来られるわけではないので、意外にスムーズにアトピーが改善して行くケースが多い。
 漢方薬を飲みながら、ステロイドは従来通りに使用してもらうのが鉄則であるが、これを守ってもらえる限りは、比較的順調に寛解に向かい、そのうち自然にステロイドの塗布回数が減って来る

 漢方薬の効果の出具合に応じて、ステロイドを減量してもらう方法を取るので、リバウンドの恐れもなく、1~3年以内に完全にステロイドと縁が切れた人が多い。
 あるいは季節の変わり目だけに、たまに塗布する程度に落ち着く。

 だから「ステロイド外用剤を10~20以上続けても中途半端な効果が持続するタイプ」は、根気さえあれば、比較的スムーズに治りやすいタイプといえるかもしれない。

 次回は、初期にはよく効いていたステロイドがだんだん効かなくなって、アトピーも急速に悪化して来たタイプの概略を書くつもりだが、このタイプこそ例年最も多く、様々なタイプがあり、このようなケースが最も多いのである。

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IMGP6173 posted by (C)ボクチンの母


 

しばらくはステロイド外用薬が劇的に効いていたのに次第に効かなった多くのアトピー患者さんたち

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IMGP1347 posted by (C)ボクチンの母

アトピー性皮膚炎にステロイド外用剤が合う人と合わない人(4)

 漢方相談に訪れる人達で最も多いのが、このタイプ。
 中には本来ならステロイドが効く限りは一生涯塗布することになっても構わないからというつもりで、皮膚科の医師の指導を厳守して十数年、とうとうステロイドが効かなくなって悲惨な状態になって来られた男性もいた。

 たとえばこの男性の場合、とりわけ顔面が悲惨な状態になりながらもまったく無効となったわけではなく、塗らないより塗ったほうが僅かに痒みが軽減されるほどの効果は残っていたので毎日塗布するのを止めなかった。

 漢方薬をはじめてもステロイドの塗布は欠かさないままで、次第に漢方薬が効いてくるとステロイドの効きも同時に以前のように効き目がよくなって来た。

 漢方薬の蓄積効果がフル活躍する頃には、次第にステロイドの塗布回数が知らずしらずのうちに減ってくる。2年間経つころにはほぼステロイドと縁を切ることが出来た。

 一昨年の夏には「この猛暑になっても痒みは皆無」となっているという報告があったが、それでも治療を徹底すべく昨年まで漢方薬を朝晩2回は継続されていたが、いつしか音沙汰がなくなった。

 また、漢方薬局や病院のツムラ漢方に平行して薬剤師や医師の指導のもとステロイドを塗布していたら、次第にステロイドが効かなくなり、ましてや投与されていた漢方薬の効果も一向に現れず、顔面を中心に悲惨な状態になって来られた女性達も多い。

 既に当方に来られたときにはステロイド軟膏の効果が出なくなっており、塗ってもぬっても汁(滲出液)を伴った副作用とともに激しい熱感と掻痒で発狂しそうな状態であった。

 投与されていた漢方薬の内容では温性の方剤が主体になっていたことが多く、専門家の中でも流布されているアトピーは冷えが原因だから内部を温めなければならないという幼稚なブームによる過度な温熱薬の投与には大いに疑義がある。

 薬局で出されている方剤で目立つのは、麦味参顆粒という生脈散製剤であり、明らかに朝鮮人参や五味子の温性薬物が災いしていたケースが目立つ。

 ツムラ漢方の病院では、越婢加朮湯自体は温性方剤とはいえないが、温性で発汗外表の麻黄の配合量に比してあまりにも清熱の石膏の配合量が少ない製剤であるからであろうか? 生姜や大棗の温性と麻黄の温性が強力し合ってますます熱邪を助長されたり変証や壊証となり、最悪の結果を招いていたケースは枚挙に暇がない。
 あるいは川芎の配合された治頭瘡一方や温清飲などが併用されていたケースも多い。

 逆に同じツムラの越婢加朮湯によって風寒の証候を悪化させてさらに表衛不固を助長する結果となり、却って全身から汁(滲出液)が吹き出て止まらなくなり、悪寒や極度の冷えを感じるようになっていたケースもある。

 ステロイドが次第に効かなくなっているケースでも、本来、適切な漢方薬が投与されていれば、アトピーの寛解とともに、効かなくなっていた外用ステロイド剤が再び効力を回復して来ることが多いので、長期間塗布したための副作用やリバウンドを最小限に抑えながら、次第に離脱していくことが可能なはずであるが、上記のようにピント外れの漢方薬が投与されていた場合は、最悪の泥沼に嵌り込むことがある。

 このような泥沼に嵌った状態で当方に訪れる人達が多く、最悪に近い状態で来られるので弁証論治とステロイド外用剤の扱いに対するアドバイスにおいて、相当に神経を使うこととなる。
 悲惨な状態であるとはいえ、新しく当方の漢方薬をはじめると初期に速効が出ることが多い。

 しかしながら、初期に速効があってもそのほとんどは再度のぶり返しがある。
 そのぶり返しはステロイドを長期に塗布したための副作用やリバウンドが絡んでいる問題とはいえ、臨機応変の漢方薬の配合変化によって、それらのぶり返しを最小限に抑えながら治していく必要がある。

 だからこのタイプの人たちこそ、変化が激しい病状を呈することが多いので、それに即応した配合変化が必須となる。

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IMGP6257 posted by (C)ボクチンの母

漢方薬の品質や配合比率に敏感なアトピー性皮膚炎

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XSC_1490 posted by (C)ヒゲジジイ

 アトピー性皮膚炎は漢方薬治療が極めて有効なことは40年近い経験から実証済みではあるが、他の疾患に比べて様々な外来刺激に敏感なように、漢方薬に対してもデリケートで敏感に反応する。
 だから、常に漢方薬の品質と配合には最も気を使う。

 品質のあまりよくない恐らく安物の原料を使用した漢方製剤を使用すると覿面効果が落ちる。だから品質の優れた製剤でなければ意味がない。

 たとえ漢方薬の配合が正しくとも、配合比率がちょっと違うだけでも効果が大きく上下するので油断がならない。特に炎症が強い時期にその傾向が顕著である。

 たとえば最近の新人さんたち2名であったことだが、他の数種類の漢方処方とともに地黄含有の六味丸を併用してもらって次第に痒みも赤みを帯びた炎症も軽減しつつあった。
 一人は六味丸の規定の半分量でちょうどよく、一人は六味丸を規定通りで推移していた。

 前者は試しに六味丸を規定量に戻すと夜間の痒みがぶり返し、一人は規定量の半分に減らしてみると熱感と痒みが再発した。
 いずれも状況的にみて、六味丸の服用量を変えたために配合バランスを失って症状が逆戻りしかかったとしか考えようが無いので、もとの服用量に戻してもらっている。

 体質によっては他薬との配合比率と使用分量の兼ね合いの僅かな違いでこのように反応が劇的に変化する場合があるので、新しく来られた段階の人達こそ気の休まる暇がない。

 これらの微妙な反応を患者さんみずから経験して配合変化の法則を体得してもらわなければならない。
 季節によっても反応が大きく異なる問題もあり、一年間を通じた体質傾向を把握しながら、様々な配合変化による反応を体験してもらって、みずからがコントロールできるようになるまで訓練しマスターしてもらう方法を取るのが村田漢方堂薬局のやり方である。

 だから仕事としては収益の少ない割りにはたくさんの相談時間と細かな繰り返しのアドバイスなど、多くの労力を強いられる過酷な仕事でもあるが、これをやらないと真の完全寛解を得るのは容易ではないからである。

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XSC_1462 posted by (C)ヒゲジジイ

処方が適切でも配合比率が異なれば効果に雲泥の差が出る場合が多い!

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ZZZ_5382 posted by (C)ヒゲジジイ

 アトピー性皮膚炎が他の疾患と異なるところは極めてデリケートであり、適切な漢方薬が投与されていても、配合比率の違いによって、治療効果において雲泥の差が出る場合がかなりなケースでみられる。
 またその時々の状況(女性では生理の周期における排卵日以降の高温期や生理中の低温期など)、あるいは季節的な変化によっても配合比率のみならず、適切な方剤が異なることも日常茶飯事である。

 今回はその実例として、適切な方剤を数種類服用してもらっていても、それぞれの方剤の配合比率の違いで、治療効果において雲泥の差が出た例を過去に書いたメインブログより、2007年09月15日の処方が適切でも配合比率が異なれば効果が雲泥の差となるアトピー性皮膚炎の難しさの全文を引用して参考に供したい。
 ①黄連解毒湯・②知柏地黄丸製剤(瀉火補腎丸)・③茵蔯蒿湯・④猪苓湯と⑤イオン化カルシウムで明らかに改善されているものの、臀部から背中近くの凸凹部分の激しい痒みと滲出液に対する効果が劣る。
 4ヶ月の連用で見かけは5割、ステロイド使用量も半減程度だから、ややシャープさに欠ける。その間2度ほど黄連解毒湯を中止して実験してみたが、明らかに必要なことを体感してもらっている。

 そこで最初に行った実験が、①②③④⑤の順で、もともと2:1:1:1:1の比率で継続していたが、2:1:1:1:2の比率に上げると、却って効果が落ちた。
 次に行ったのが2:1:2:1:1では不変。

 驚くべき改善効果を発揮したのが2:1.5:1:1:1の配合比率で、臀部から背中近くの凸凹部分の痒みと滲出液が一週間でほぼ完全に消退した。同時にステロイドの塗布の必要がなくなった。
 つまり知柏地黄丸を他薬との比率を1.5倍に変更しただけで、このような好ましい効果の激変を見たのであった

 アトピー性皮膚炎ではしばしば微妙な配合比率の変化一つで、効果に雲泥の差が付くことが多い。
 また状況が異なると、それに応じてヘコタレルことなく配合比率を工夫してあげなければならない。
 このような面倒とも思える繊細な配合変化を繰り返すうちに、気がついたらステロイド漬けからオサラバできると同時に、見かけ上も9割以上の寛解が定着するようになるのである。

 これもひとえに、御本人の観察と報告に依存する部分が大きいのであるが、同時に様々な配合変化や処方変化における体感を敏感に察知してそれを表現する意欲にかかわるのだから、ヒゲジジイの漢方指南は本気で自身のアトピー治療の為の漢方修業をされるくらいの意気込みがなければ成立し得ない漢方相談なのである

 痒いカユイという表現しかできない人には、ゴメンなさい、ヒゲジジイの漢方はアナタには無理ですので、ヨソさんを当たって下さい、とお断りせざるを得ないわけである(苦笑)。
 また、そういう人を間違って漢方相談に乗って漢方薬をお出ししたところで、繰り返しのうるさいヒゲジジイの畳み掛ける様々な質問に真正面から真剣に回答する気力を失って長続きしないのが相場である。

 結局はヒゲジジイの腕の悪さもさることながら、様々な微調整に対する客観的あるいは主観的な観察意欲と表現意欲の欠如が原因であることに他ならない。
 実際のところ、アトピーを治したいという真の意味の意欲があるかどうかの問題に帰するのである
 金を出すからアナタマカセ、という人には全く不向きな漢方相談(漢方指南)であることに間違いない。

 実を言えばアトピーに対する改善率が非常に高い理由は、観察と表現意欲のナイ人を事前に察知できた場合、すべてお断りしているという公然の秘密があるからだった。
 例外があるとすれば、親御さんご自身がヒゲジジイの漢方利用経験者である場合の、その子供さんを依頼された時だけである。

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ZZZ_5383 posted by (C)ヒゲジジイ

アトピーの漢方治療では臨機応変の配合比率や配合内容の変更が必須である理由

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IMG_4682 posted by (C)ヒゲジジイ

 アトピー性皮膚炎の漢方治療では、他の疾患とは比べ物にならなほど、時宜にかなった配合変化が必須となる。

 季節に応じた配合変化では、湿気の多い梅雨時前後には湿邪を除去する配合比率が高まり、地黄や麦門冬のような滋潤薬を控えめにするなど。
 空気の乾燥する秋冬では梅雨時とは逆の配慮が必要となる。

 女性では生理中の配合と生理が終わった後の排卵日までで微妙に配合が異なり、排卵日以降の高温期には清熱剤の増強が必要となるケースが多く、生理がはじまると総じて清熱剤の重点は軽減され、極端な例では生理中は温補剤主体の配合が必須となったケースもある。

 また、一日のうちでも昨今のような猛暑がはじまる季節では、職場環境で冷房が強いなどの環境下では、朝と昼と夜の漢方薬の服用内容を変化させる必要があることも珍しくない。
 すなわち身体を冷やし過ぎる職場では、清熱剤を控えめにするか、あるいは昼間だけはクーラー病にしばしば使用される葛根湯や藿香正気散(かっこうしょうきさん)を一時的に併用するなど。

 実際にはもっともっと臨機応変に配合変化の必要が生じる場合が折々にあるのだが、人によっては運よくそれほどの配合変化をあまり必要としないこともあるが、そのような例は少数である。

 このような面倒な配合の微調整の繰り返しを時間をかけた繰り返しのアドバイスによって、ご本人みずから臨機応変の配合変化の法則をマスターせざるを得ないので、結局は9割以上の寛解が得られるのである。
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IMG_4911 posted by (C)ヒゲジジイ

生理中は熱証は去り、排卵日以降に熱証を呈する女性達

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漢方薬類のお陰でようやく食欲が回復してきたボクチン
漢方薬類のお陰でようやく食欲が回復してきたボクチン posted by (C)ボクチンの母

 女性のアトピーで特徴的なものでは、生理中には熱証が完全に消滅して気血両虚を呈し、極端な場合は強い寒証を呈して大建中湯すら必要になるケースも見られる。
 大建中湯証を呈さなくとも、補中益気湯製剤(党参入りの補中丸Tなど)が有効であったり、あるいは主軸の桂枝茯苓丸加薏苡仁だけでアトピーがほどほど落ち着いていたり、生理中には清熱解毒剤の類が一切邪魔になるケースも珍しくない。

 ところが一転、排卵日以降になると俄然、熱証が勃発して清熱解毒剤を強烈に追加しなければステロイドのリバウンドのごとき様相を呈する人も珍しくない。

 生理中の配合と、生理が終わって排卵日までの配合と、排卵日前後から生理が始まる寸前まで、一ヶ月にこれら三つの期間にそれぞれ異なった配合が必要になる女性達が意外に多いのである。

 だからぞれぞれのタイプに応じた漢方薬の配合変化や配合比率の微調整のコツを覚えてもらうことが必須となり、だらだらと同じ配合ばかりを続けることはほとんどあり得ない。

 このような変動の激しいアトピーの女性達は皆がみなというわけではないのだが、それでお三人に一人くらいの割合でみられるような?感触がある。

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IMGP1767 posted by (C)ボクチンの母

アトピー悪化の原因がシャンプーや石鹸・ボディーソープや茶髪であることがとても多い現実

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AAAA3147 posted by (C)ボクチンの母

 アトピーで驚くほどの頑固者がいる。
 シャンプーで明らかにアトピーが悪化しているのに、性懲りもなく使用を止めない。
 口を酸っぱくして縷々説明しても止めようとしないのは、無意識層で治したくないタナトスの心理機制が働いているとしか思えない。

 シャンプーをするごとに首の真裏に湿疹が勃発して数日かけて治っていく。しかしながら顔には何の影響もないと本人は言い張るのである。

 バカも休みやすみいいたまえ。

 そこでアトピーが既に寛解して予防的に漢方薬を常用されている人たちにアンケートを取ってみた。
 (1)すなわち、過去にシャンプーが合わなかった経験はあるか?
 (2)あったとしたら、アトピーがどうなったか?

 (1)の経験が合ったという人は、とても多く、その全員が、首の周辺が悪化したのみならず、顔面の痒みが激しくなり、そのシャンプーを中止すると首回りだけでなく、顔の痒みと炎症が軽減したという。

 本来このようなアンケートをとるまでもなく、首に悪影響するシャンプーが、顔のアトピーに悪影響しないはずはない。
 このような常識すら理解できない頑固者が多いのである。

 シャンプーのみならず、髪を染めることが悪化の一因になっていたケースも日常茶飯事。
 合わない石鹸やボディソープもしかり。

 これらの日用品に対する無神経さもアトピーを悪化させている原因の一つであり、即刻中止すべきであるのに、世の頑固者たちは、なかなか性懲りない。
 
 救いようのない連中というべきかっ。

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AAAA3154 posted by (C)ボクチンの母

六味丸系列の方剤と猪苓湯の配合比率を変えるべき季節がやって来ましたよ

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IMG_7658 posted by (C)ヒゲジジイ

 ここ数ヶ月の新人さんたちの多くは微調整の苦労の末、ようやく安定した効果が得られるようになったのもつかの間、一部の人は肌の乾燥が気になる季節が到来した。
 そこですかさず、六味丸系列の方剤をやや増量し、猪苓湯を規定量の半分に減らすことでしっかりバランスが取れた。

 知人の医師のご子息のアトピーも治まっていた痒みが、昨今、乾燥による痒みが気になり出したという申告には規定量の半分を使用されていた猪苓湯を一旦、中止してみるようにアドバイスした。

 次第に秋の声が聞こえはじめ、アトピーの人達も肌の乾燥が生じやすい季節到来である。といっても中医学理論には常と変があり、常では上述の傾向は明らかであるが、変においては、逆にこの乾燥時期に六味丸系列の方剤が無用になり、猪苓湯こそ必須となる人もときにはあるので、折々の弁証論治をないがしろにすることはできない。

「常と変」の参考文献:漢方:中医理論弁

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IMG_7936 posted by (C)ヒゲジジイ

今年は汁(滲出液)の流出が激しいアトピーに消風散がフィットする例が目立つ

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BSC_3143 posted by (C)ヒゲジジイ

 滲出液が大量に流出するアトピーに、これまでは消風散が適応する例は少なかった。
 衛益顆粒(玉屏風散エキス製剤)を主体に猪苓湯と六味丸の三者を併用してはじめて治すことが可能となる例が多く、消風散が適応する例は少数派であった。

 ところが今年になって、消風散が必須となる例がかなり増えている。
 中には以前、全身から流れ出る滲出液を衛益顆粒と猪苓湯に六味丸の併用で速効を得ていた人が、社会復帰を果たすのが速すぎたのか、秋になってひどく再発してしまい、再度、同じ三種類を併用してもビクとも効果が出ないケースでも、消風散を主体にした配合に切り替えるとピタリと止まったケースすらある。

 また、過去から現在に至るまで、乳房付近から流出する滲出液では、消風散がフィットした例がわりに目立つ。

 もともと個人的には消風散という方剤は大嫌いな方剤であったが、昨今、頻繁に使用せざるを得ないケースがあまりに増えてくると、次第に好きな方剤になって来るから不思議である。
 大嫌いだった理由はほかでもない、アトピーであり得る燥湿寒熱虚実のあらゆる要素のほとんどすべてが配合された実に卑怯(苦笑)な方剤であり、そのために却ってこの方剤を使用するとアトピーが逆に悪化する例を多数目撃して来たからである。

 すなわち、他の方剤類で比較的順調に治りつつある人達に、消風散の研究と称して、現在の方剤に消風散を加えたらどうなるかを実験してもらって来たが、いずれの人も必ず「これは逆効果だから私には合わない」と言われ続けていたからである(苦笑。

 とはいえ、消風散がフィットする人達でも、当方での相談事例はいずれも一定レベル以上にこじれたアトピー患者さんたちばかりゆえ、清熱解毒剤や猪苓湯や茵蔯蒿湯など他方剤との併用が必須となる人達ばかりである。

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BSC_3144 posted by (C)ヒゲジジイ

旬の食材、タケノコを食べてせっかく治りかけていたアトピーがぶり返した人たち

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IMGP4581 posted by (C)ボクチンの母

 半年以上通いつめて、かなりよくなっていたのに和食だから良いと思い込んでいてタケノコを毎日のように食べ続けたためにアトピーがぶり返してしまった人達がいる。
 
 アトピーの人たちは、必ず和食中心の食事に限るとはいえ、タケノコやゼンマイ、ワラビなどアクの強いものはご法度である。
 とりわけタケノコなどは、アトピー体質でない人でも、毎年のようにタケノコを毎日食べ続けて急性湿疹が勃発して慌てて駆け込む人が多い食材である。

 アトピーには和食中心に限ると奨めていたものの、例外的に上記の三種類は避けるべきことをしっかり注意しておかなかったこちらにも責任の一端がある。

 アトピー体質の人は、ほとんど一生涯、食事内容には十分な注意が必要である。
 脂っこい肉食をすると覿面再発する人は例年よく見られるが、他にもアルコールや甘い物、スナック菓子など、注意すべき食品は多い。
 体質上、やむをえないことである。

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KSC_0781 posted by (C)ボクチンの母

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